はくにゃんの調書

日記、何もしていないことに気がつく

1130

朝はやくおきて(夜ブランデーを飲んで早く寝たので)まだ日の明けぬなか文フリで買ったものをすこし読んだ
あたらしく書かれたものばかりのアンソロジーでそれがその人のベストなのかどうかはわからないよなぁと思ったが名簿には使える。色んな名前があるもので往々にしてそれを覚えられない
朝おきてから鶏の鍋を食べた。昨夜はぱっくんちょをアテにしてお酒を飲んだきり何も食べないまま寝ていて茶碗にはい食べる
それからぼうぼうとしているうちに寝て昼に起きて特になにもしていない。何もしていないが腹は減るので飯を食う。さいきんは食いすぎなくらいだが
水木しげるが死んだというのが流れてきてとくに鬼太郎やその著作に触れてきたわけでもないのに不思議と心をうたれるような気持ちがした
夏頃にはハンバーガーをペロリとしたとかいう話も聞かれた 写真でみると歯が綺麗だなといつも思う。長生きするひけつのひとつかもしれない
僕は寝るのが好きだが仕事で成功したあとも睡眠を長くとったというところに惹かれてもいたのかもしれない。
ツイッターではすぐに悼みの声とともにそれまでの仕事や名言のようなものが多く流れてきてどれも染み入るように思う 飯を食う 10時間寝る 人生は過ぎ去るだけのものだから 見えない力を信じること…妖怪はよくわからないが 片腕のない袖がぷらぷらしているのもなんだかいいじゃないかという気がしてくる
面白くなってきたというところで人生が終わるっていうのは、最近死んだ誰かも言ってなかっただろうか その人はまだ死にたくねぇとわめいていたが、俺だって死にたくねぇ 死にたくねぇというものほど心をうつものはない 去り際になってまだ面白いものを見ていたらそれもなおさらなことだとおもう
まだ勉強したい そういう気持ちも残りあとわずかというところにきて湧いてきて、なんだかよくわからないなぁという気になりながら、水木しげるの言うようによく休みながらやればいいのではないでしょうか

新・映像の世紀は、映像の世紀世代によると内容が不十分というはなしだが、ナレーションが妙によい調子なのでおもしろく見ている

1118

TくんがZippoで火をつけるとやはりそのにおいがすると言った。Tはそのとき僕の持っていた100円のライターで火をつけて吸ったから、普段のにおいがせずにそうやって思い出したのだろう。
アメリカン・ソルジャーズという映画と、男たちの戦場という映画を見て、あらためて難しいなと思った。ドンパチがあればいいものではないというのが前者ではよくわかる。撃つところを、銃口の向くさきから捉えるのはその背中の安寧をあたりまえに示しているようにも思われる。何故かのんのんとしているように感じる。また後者は、日本兵がまるでお化けのようにあらわれる。あらわれるだけならまだしも、(見通しの悪いじゃんぐるとはそういうとのかもなとも思う)驚きをさそうようなSEが見事なまでに挿入され、驚かない僕が他人事のふりになる。ただ、やっぱりイケイケの東洋人はああいうふうにも見えたのだろうとも思う。ある日とつぜんLINEがきて、そのことについてだけふと話したところでもあるが、驚きと怖さというと、フォレスト・ガンプベトナム戦争の一幕はいろいろな恐ろしさが詰まっていると思う。何ヶ月も降り続いた雨が止むと、銃弾が飛んでくる
さいきん、なにかのスポーツの大会かなにかで、偉大な仕事をした人が言っていたらしいのだが、その大会で優勝する夢を見たことを、優勝してからの光景で思い出したのだという。夢をはっきりと覚えていてメモを取れる人もいる。僕はさいきん、とんと夢を覚えていないし、なにか思い出させるような景色も見ていない。知人に似た人を見て、知人に似た靴を履くまったく知人でない人を後ろから眺めて歩く。

1025

朝までスターウォーズをみた
日がさしてカーテンの裾が明るくなりはじめたころ、フォレスト・ガンプ
腹が減ったのでお茶漬けを食いながらみて
ふつう、ハンバーガー、キッシュ、ミートパイなどを食べたくなるがそういうものはない
コーラも飲みたいが冷めたお茶しかない
むかし1時間だけ遊ぶために部活終わりの日暮れ友達の家にいったが
そのころはコンビニで300円ぶんお菓子を買えば事足りたのが
どういう間延びを経たらつぎからつぎに足りない気がしてくるのか
そして手と口を動かし続けなければならないのか、喉が渇くのか
思うに
何を書こうと無駄と言うことはないし、それにかけた時間が
そういう優しくて厳しい気持ちになってきた
お前のことだよ

日シリをみてカレーを4ℓ作って飲んでいた
日曜の朝はいつもこう冷たい
酒が抜けてきたころになってもうすでに終わっている気がする
グリーン・ゾーンをブルーレイでみた
終わりとはなんのことをいうのか
夕方まで眠ってシャワーを浴びるか浴びないかで親から連絡が入る
おばさんが危篤になって今夜がやまだという
もう死んでしまったかなと思いながらいまこれを書いている
おばさんはずっと教師をやっていて年金がすごい額はいるらしい
結婚せずにひとりみでいた
買い物の仕方が下手でお菓子を買いすぎて怒られている
いまもたまに先生と呼ばれている
癌がリンパまでいって全身にというよくある話はもうとうに聞かされていて
10月の帰省のときもう最後といって顔を見せに行ったが
先生は昼寝が大好きだった、ちょうど昼さがり食べられる分だけを食べ眠くなるいい時分
寝ていて反応しているのかしないのか、誰々が来たよといってわかっているのかわかっていないのか
わからない
結局目をいちども開けなかったが、ときどきうんうんとうなずいて
おばちゃんにマレーシア製のシャツを綺麗だと言われて僕もうんうんとうなずいたのだった、あの
時間もただただ過ぎていく
僕はその綺麗だと言われたシャツをあたまのうえのカーテンレールに吊ってあるのをみている
このあと僕はたぶん散髪に行き、図書館にいって
もういちどカレーを作って、ブエノスアイレスをブルーレイでみるのだと思う
なつかしい話は、なつかしく話されることが大事だから
いろんなことがあって僕は涙を流すだろう

1018

もう何も言うことがないというところから
横浜美術館に連れて行かれて
蔡國強展なるものを
狼の群れを見に行った。
透明な壁のむこうに狼が無数に吊るされている様、
あるいは配置、処置されている様、
迂闊に上を向いて歩けばぶつかってしまう
群れを縫って歩く
数える
空調かなにかにあてられて
それか誰かが揺らしたのだろうか
振り子のように
狼が揺れていた
それを下から見ていた
監視員たちがいたるところでこちらを見ていた
俺は狼の群れが上を飛び越えているその
心地を楽しんだ
今日が最終日らしくひととおり混んではいたのか、
こんなものじゃないのか
美術館には滅多にいかないが、行けば行ったで
必ず美人と歩調が合う
その美人は綺麗な靴を履いていて、多くの場合
髪の毛も綺麗である
展示の文章を熱心に読むふりをして
人だかりに立ち止まり
美人を観察する
900円か、安いもんじゃねえか
人間をみにいってるんじゃないんだぞ
そして次の展示室へ
人間をみにいってるんじゃないんだぞ

横浜まで
みなとみらいという字面は
まるで三森すずこみたいじゃねえか
などと考えつつ、横浜まで
横浜なりの時間を経て、
遠い
そこで何かの本を読んだ
詩のようだった
携帯の電池が早々に切れて、
待ち合わせ場所も、時間も決めずに
さんざめく
秋の群衆の闊歩に怯えつつ
俺は40分も待たされた
キレそうだった
先に帰ることさえも考えたもんだ
タバコも吸えないし
まったくなんなんだ
その後は隣接の大型商業施設を歩いた
とくに目新しいものはなかった
エロゲなどでよくこういうワードが出るが
たぶんこういうことを言うんだろう
雑踏のサンプリングをしに行こうか
朝早くから

文フリのガダログをなんとなく眺めて
また出品するのかと半ば呆れていた
まだ何にも書いていない
何も読んでもいない
空虚だなぁ
網走に行った弟に言ってやりたい、
お前の兄貴はまさに
浪費という字に相応しい
三森すずこも笑ってくれる
優しく貝を剥いてくれる
鱗を取るにはペットボトルのキャップがちょうどいい、
そういうことを教えてくれる優しい人間だと
稲刈りを期すカラスを指差して
彼らも知っているんだと
優しい目の持ち主だと
魚の目は食べると美味しいと

眠り方を忘れる
夜ののどごしはたいそう美味い
のどごし生はほんとうに不味い
いまだけ!と言わず、いつまでも出してほしい
おばあちゃんの背中を擦るようなペースで
調子が出てきてフランドルへの道を再開する
8ページでやめた
残された時間を思う
There and Back Again
エリオットの荒地を原文で読んで何かがすっかり変わるようなことがあるのなら
俺は原文の原文の原文の原文の原文の(…)
家へと帰る途中、
塀に囲まれた夜道で
犬の鳴き声を聞いた
こちらへと向かってくることがわかると
呼吸が激しくなってきた

827

死んだらどうなるのか
魂が
見えないことが救いになることもあるだろうと思う

死んでやり方を洗練させていく過程が楽しい
死に覚えゲーの実況プレイ動画を見ているようだ
僕自身は死に覚えゲーと聞いて
まず思いつくようなタイトルを
プレイしたことはないから(!)
実際のプレイはわからないけどね
死に覚えゲーのようだ、ではなくて
死に覚えゲーの実況プレイを見ているようだというのが
すこし楽しかった。
原作は1ページだけ読んでどっかいっちゃったけどね、読んどきゃよかった

その次にインド・オブ・ザ・デッドというこれまたどうしようもなさそうなものを観る
いやぁ、雰囲気は少し前にも言及したファークライに似ているなぁ
日本人はゾンビゲーが好きらしいよ
人間はゾンビが好きらしいよ
僕はゾンビの魅力はよくわからないけどね
部ごとに挿入されるタイトルと
静止した映像がそのまま一枚絵になる感じ、
こういう演出がゲームみたいだなぁと思った
というより、僕がよく知らないだけで
いろんなところであるんだろう
まぁそれでも、このままプレイがはじまりそうじゃないか、ってくらい
最後はキマっていたね
ちなみに僕は、ゾンビゲーもプレイしたことがない
なんにも知らねぇじゃねぇか!
でもね、イメージですよ、イメージ
何事もね



815

今日という日に…( )
塚本晋也の野火を
キメてなきゃ辿り着けないような名前の場所まで
道玄坂を登ればつくよという
なんの助けにもならない声をたよりに
渋谷を一時間ほど周回し、
三時ので観て、
五時すぎに
スクリーンで
計画だった。
着いたのは三時を少し過ぎたところで
sigh
仕方なく渋谷を一時間ほど周回し

野火を観ました。
まず、浮かんだのはシンレッドライン…
豊かな自然…小船に乗る若い男女…
具体的な予備知識は無しに…
そういえば大岡昇平のそれは
ゼミで読んだなとか思いながら
十字架を待ちわびた。
後に購入した解説パンフレットのなかで
シンレッドラインの名が実際に挙がっており、
或いはコッポラの地獄の黙示録
の名がトークショーで監督自信から告げられ…
朝のナパームの匂いは…
普遍的なもの( )を描こうとすることの
なにかの連鎖を誘発することが
私の(見た数は少ないなりに)戦争を扱った映画の好きなところです。
焦点は力にあるのかもしれない、
たとえば腕の力、足の力、眼の力、
その拡張の銃の力、想像を超えた
航空機、爆弾、大砲、望遠鏡…
そういうものの力を思い知ること…
朝のナパームの匂いを
忘れられなかったという…
本物の火の威力…
燃える小屋の 火の燃える音が腹に響き
あるいは夜中、見えない敵機からの機銃掃射や
必ず見えないところから飛んでくる銃弾の音…
そういうものが座っている僕の腹に響く
心拍数が上がる
そういう体験
立ちすくむことさえままならないだろうなという
どうしようもない想像をかきたてられた
気がする

死体について
人が倒れ、血溜まりができる
それじゃあ不十分というか、
生きてる人が見て、こうまで酷いものかと、
或いは、ああはなりたくない、
そういうもの、ただのものと化した死体を
求めなければならないと思ったと
こういうことを後に仰っていた。
僕はT君が半ば押しつけるようにして
貸してきたライフ・アト・ウォーのことを思い出していた
つまり、名前も知らない人たちの
死体の山の写真を…
口は歪み、目は開き、或いは同じように閉じられた目の
口の形、歪められたとしか
言いようのないものを
描こうとしたこと(の価値)を感じた
T君とはライカでグッドバイや
その他のことでわかちあってきたつもりだが
今日という日ほどそのめぐりあわせに感謝した日はない
あいつは俺にライフアトウォーを見せるために
姿を現したに違いない。
血がどのように流れるか…
処刑の瞬間のあの動画のように
血がぴゅーと吹く
腕も脚も飛ぶ
腕のない兵士ふたりが、転げ落ちた腕を同時に掴む
どちらの腕だろうか?
死の間際にあって、落ちた腕を拾うってことの
おかしさと、きっとそうかもしれないという
確信めいたこの感じ…
オマハでもどこでもあったことかもしれない…
目を覆いたくなった
正直怖かった、そういう類の
演出、つくりもの、でも
これ以上の光景が、きっとあったということを
想像させる、それを迫る映像…
キャパがこの場にいたら、こういうふうに撮っただろう
ブレブレの一人称的なキャメラ…
:またこういうことを言い出して
つまらなくなる…

こういった
狂気の種が
自分のうちにあるのではないかと疑うこと、
あるいはきっとあると信じること
こういうことの言及が
パンフレットにもあった(と読んだ。
わからん。今夜はすこし)
うんだから、自分がなにかそういう作品に触れて
考えていたこと、感じていたことが、こういうものだったかもしれない、
というふうに助けたりするような気がして
とにかく、観てよかったとおもう。
戦争反対だなんて、わかりきったことじゃないか、
そうはいうけど
反対とかそれ以前かもしれない
たばこをとろうとして
しゃべっている途中で
突然撃たれる
画面の外で
大きな音がして倒れる
後の席の人が、びっくりしてか
僕の背中をどんと蹴った
同じように手榴弾は突然爆発し、
飛行機は預かり知らぬところで飛んでいる
ハエはどこから来るのかわからない
渋谷なんて大嫌いな街だけど
頑張ったかいがあった、
自分がその場にいたら、きっと立ちすくんで、
なにもできずにのたれじぬだろうということを
想像すること…
戦争には熱狂もあるかもしれない、
狂気はあてられるというより、そのうちに発現するものかもしれない
自分が絶対そうはならないと言えない、
その場にいないとは言えない、
だからその身をスクリーンに映して
見るし、聞くし、振動を感じる
死の振動を
そういうことの怖さと
想像することを…

813

今日も元気にだらだらする
あなたはなんのためにここにいるの?
そう言われて思いもせず
Evernoteというどうしようもない響きを…
ぼくはあなたと一緒にいたいだけです
本当だよ

いちにち甲子園をみておわる
昨日は実質20分ほどキャッチボールをする
雨が少し降った
むっとする湿気と熱気…
あのころたばこを吸えなかった自分に教えてやりたいのは
野球をしながら吸うタバコほど
うまいものはないということ…
ふだんかかないところから汗が出る…
最近の癒やしは
宇宙…死ぬこと…
In flamesを聴くこと…
悲壮な響きをもってやってくる
明度ある転調…