はくにゃんの調書

日記、何もしていないことに気がつく

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諸君
あけましておめでとう
誰かが言っていた
遅すぎる新年の挨拶は失礼だと
失礼すぎるということはないだろう
たかが10日たったくらいで
もう新しい年だなんて感覚が薄れている
そんなふうに日数は流れていくのか
ほんとうに時間というのは不思議なもんだ
この年末年始というもの、
まぁ変わらず飲んでばかりいた
すこしやりすぎた日には
いつもどおり
からだじゅうに赤い斑が浮かんだ
親父がそれを見てこう言った、
どんなに飲んでも、飲み過ぎるということはない
年が開けたと思ったら
何があったか思い出す時期にくる
おん爺がくたばって、はや
三年の月日が流れた
いや、そんなはずはない
いまから三年目の月日を流そうという
そういう意味なのだろう
ぼくは三回忌の法事含め全体で
三本のたばこを仏壇にあげた
一本はわかば
残りはマールボロ
親父がむかし、まだ生きていたおん爺に向かって
ヨウモクだよと言いながら渡していたのを思い出しながら
火をつけたもんだよ
感覚としてはつい最近
死んだもんだというのに
そこから離れてみると
もうずいぶん経つことになる
イトコが今度、セ○ター試験を受けるとかなんとか
本格的な塗り絵の時間にも
いい思い出は少ない
まだ生きているおん婆が
そこらへんすべてを仏壇に託した
ちゃんといいごとこの子等を見とけよ、と
いつも遺影に向かって怒ったような
威勢で上げるのだが
死んでからもゆっくりできなくて
大変だなお前
仏のつぎは神頼みで
ドドンドドン
神にも頭を下げてきた
いつか誰かが言っていたな
俺は神をも恐れぬ男だと
払い給え清め給え
ははーっor
にぱーっ
どれ新年を占うおみくじをば
引いてみたところがこいみくじ
ははん、八幡というのは
縁結び系なの?
そっち系?
ただただ近くというだけでそこに行ってるのだが
全国の神さまのなかでもなかなか強いほうらしい
強いってなんだよな
母親が言った、でもあそこは
縁切りにいいんじゃないの?
いいってなんだよな
だとすると、あの石段を息を切らして上がって
海のちかくの街の風景を一望する望遠鏡の前に並ぶ
男女たちよ!
わからないのか!
赤の他人の瓜二つを読むとき
完全に全能感を覚えている
それはもう怖いくらいに